つみたてNISAを始める前に最低限知っておきたい投資のリスク!

最近、つみたてNISAが人気らしいので自分も始めてみようと思い調べてみると、非課税の証券口座で資産運用ができるだけであくまでもメインは投資であることがわかりました。

そこで今回は注意喚起を含め、つみたてNISAを始める前に最低限知っておきたい投資のリスクをまとめていきたいと思います。

目次

つみたてNISAとは

つみたてNISAがどんな制度なのか一言でまとまると、

投資で発生した利益に対して税金がかからない証券口座で資産運用ができる税制優遇制度です。

通常、株などを売却して発生した利益には約20%の税金がかかりますが、NISA口座(非課税口座)の場合は毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になります。

つみたてNISAは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度となっています。

あくまで投資で発生した利益に対して税金がかからない証券口座を持つことができるだけで、NISAは株や債券など金融商品ではありません。

(その他の条件)

・購入できる金額は毎年40万円が上限

・毎月1万円など買付け方法が「積立投資」に限定される

・非課税で保有できる期間は投資した年から20年間

・購入できる投資信託は長期、積立、分散投資に適した商品になるように法令上の条件が設定されている

投資には必ずリスクがある

つみたてNISAを始める。

言い換えれば、

「投資で発生した利益に対して税金がかからない証券口座で投資を始める」

ということです。

投資なのでリスクは当然あります。

増えることもあれば減ることもあります。

購入した投資信託が右肩上がりで成長していき、最長20年の保有期間後には運用益が発生している。

そして、つみたてNISA口座で運用しているので運用益は非課税になる。

これはあくまでも理想的なパターンです。

資産が-56%になる可能性がある

(引用:投資の森

それでは、どれぐらいのリスクが想定されるのでしょうか。

S&P500とは、ニューヨーク証券取引所などに上場している代表的な500銘柄の株価を指数化したものです。

つみたてNISAでの投資先として、このS&P500のチャートと同じ値動きをする投資信託が人気です。

1970年から現在までの上のチャートを見ると右肩上がりで今後も上昇していきそうな気がします。

(引用:投資の森

次に、上のチャートは2000年~2010年のS&P500のチャートを切り抜いたものになります。

2000年3月~2002年10月:ITバブル崩壊(-49%) 

2007年10月~2009年3月:リーマンショック(-56%) 

赤丸部分は過去にS&P500が暴落したところになります。

期間に注目すると、どちらも2~3年かけてじわじわ下がっています。

もし、暴落が始まる2000年や2007年からS&P500に連動する投資信託を購入していたらどうなっていたでしょうか。

毎月積み立て投資をしては含み損が増えていく状況が2~3年続きます。

結果的にはこの後上昇していますが、当時はいつまで下がり続けるかわかりませんし、再び上昇する保証も無いので精神的に厳しい状況が数年単位で続いています。

これは過去に実際に起こったことなので、これから先同じようなことが起こっても何の不思議もありません。

・資産が半分になる可能性は十分ある

・下落相場が数年単位で続く可能性は十分ある

暴落時に安く買えたおかげで景気回復時の利益が増える

過去を振り返ってみると10年に1回のペースで暴落が発生しているので、つみたてNISAで20年も資産運用していれば相場の暴落に遭遇する可能性は非常に高いです。

・今まで積み上げていた含み益がどんどん減っていく。

・今まで積み上げていた利益が無くなり含み損がどんどん増えていく。

・どこまで下げるかわからない状況が数年単位で続く。

そんな暴落時にはどうしたらいいのでしょうか。

精神的にキツイ状況ですが再び相場が上昇することを信じて、積立投資を続けながら耐えるしかありません。

積立投資を続けながら耐えるというのがポイントで、視点を変えると暴落している時は今までより安く買えてラッキーと考えることもできます。

そして、暴落時に安く買えたおかげで景気が回復した時の利益が増えるのも事実です。

「先月1万円で1個しか買えなかったダイヤモンドが今月は1万円で2個も買えてラッキー」

資産が半分に減っても、毎月含み損が増えていく状況が数年単位で続いたとしても、

「安く買えていてラッキー」

含み損の時に辞めないように少額からスタート

つみたてNISAでやってはいけないこと。

それは、含み損が発生している時に辞める事です。

相場が暴落して含み損に耐えきれなかったり、ライフイベントでどうしても資金が必要なので含み損が出ている状態で止めざるを得ない。

様々な状況が想定できますが、含み損が発生している時につみたてNISAを辞めてしまっては、手間暇かけてお金を減らしただけ。

つみたてNISA口座で資産運用を始めるのであれば、

・3年間含み損が増え続ける

・資産が半分になる

こんな状況になっても利益が出るまで続ける強い意志が必要です。

耐える覚悟がなければつみたてNISAをはじめない方がいいと思います。

また、暴落しても耐えられるように少額投資からスタートした方がいいと思います。

非課税枠は翌年に持ち越せないが最初は少額投資から

つみたてNISAでは年間40万円までの非課税枠がありますが翌年には繰り越せません。

また、今年10万円しか使っていなくて、非課税枠が30万円残っていたとしても翌年はまた年間40万円が上限です。

非課税枠が余るのはもったいないと感じるかもしれませんが、3年間含み損が増え続けても、資産が半分になっても利益が出るまでつみたてNISAを辞めないように、最初は少額投資から始めるのがいいと思います。

もちろん生活防衛資金が溜まっているのは大前提。

自分の好きなタイミングで現金化できない

10年後の子どもの進学資金にしよう。

10年後の車の買い替え費用にしよう。

10年後であればきっと含み益が発生しているはず。

こんな風につみたてNISAを始めるのは危険です。

あくまで投資なので10年後でも含み損が発生している可能性は十分あり、含み損が発生している状況で売却しては意味がありません。

投資信託を売却して現金化するタイミングは相場次第です。

自分の好きなタイミングで現金化はできません。

あくまでも補助的なお金として考えた方がいいです。

含み益あれば利益確定していくのも一つの方法

非課税で保有できる期間は投資した年から最長20年であり、途中で売却することも可能です。

購入した投資信託が右肩上がりで含み益が増えていくのであれば最長保有期間である20年後に売却した方がいいですが、これから先どうなるかは誰にもわかりません。

なので、少額投資から始めて利益が出たら一度利益確定売りをして再投資するのも選択肢の一つです。

例えば、毎月5,000円積み立てる場合、1年で60,000円積立できます。

そして、5年後に元本300,000円に20%含み益が発生していて360,000円になっていた時点で利益確定売り。

60,000円の利益。

利益を含めた360,000円を再投資する。

360,000÷120ヶ月(10年)=3,000円

毎月5,000円積立+再投資分3,000円=毎月積立額8,000円に増額

毎年の非課税枠40万円を使い切る月額33,333円までは利益を再投資していく

つみたてNISAを始めて、

・右肩上がりの相場の場合は含み益が20%になったら利益確定売り

・暴落を相場を経験した場合は含み益が100%になったら利益確定売り

こんな風に決めておいてもいいかもしれません。

つみたてNISAは初めての投資にピッタリ

毎月一定額の積立投資を手助けしてくれるつみたてNISA。

「長期・積立・分散」投資をすることでリスクの分散ができる投資の王道なので、初めての投資にはピッタリだと思います。

とは言ってもリスクがゼロになるわけではありません。

・10年に1回ペースで資産が-50%になる暴落がある。

・数年単位で下落相場が続くことがある。

つみたてNISAで投資を始めるのであれば、このような状況になっても積立投資を続けながら耐える覚悟が必要です。

・世界的なニュースになるレベルの暴落が発生したとしても想定内

・数年単位で下落相場が続いても想定内

・むしろ普段より安く買えてラッキー

・無理のない範囲で投資をしているから利益が出るまで耐えられる

・投資信託を売却して現金化するタイミングは相場次第

つみたてNISAを始める前に投資のリスクを知っておき、

「あれ、こんなはずじゃなかった」

という人が一人でも減って欲しいと思います。

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