取り越し苦労や気疲れが多かったり、些細な一言を引きずってあれこれ考えてしまう性格がずっと嫌でした。
家に帰ったら仕事のことを忘れてゆっくりしたいのに、仕事のことを考えてしまいオンオフが上手くできません。
周りに相談すると「気にしすぎ、もっと鈍感になった方がいい」というアドバイスが多かったので、鈍感になろうと頑張ってみましたがどうも上手くいきません。
そんな時に出会った「「繊細さん」の本」では次のように書かれています。
・背の高い人が身長を縮めることができないのと同じで、繊細な人が鈍感になったり、気づかずにいることはできない。
・繊細さんに必要なのは気づいたことにどう対処したらいいか具体的な対処法を知ること。
運動したら痩せれるように努力をして鈍感な性格にならなければいけないと思い込んでいたので、繊細なまま楽に生きることなんか本当にできるのかと疑問でした。
実際に読んでみると、些細なことが気になって、いったいいつ元気なのと聞きたくなるぐらい毎日気疲れしていた自分の生活を劇的に変えてくれました。
それではここから本の中で特に心に響いた部分をまとめながら紹介していきたいと思います。
HSPとは
HSP(highly Sensitive Person)とはアメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した言葉で、とても敏感な人という意味です。
このHSPの人を本の中では「繊細さん」と呼んでいます。
自分と同じように繊細な人に出会ったことが無かったので、5人に1人が繊細さんであると言われており意外に多いなという印象でした。
とは言え世の中では少数派。
繊細さん診断テスト
アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が作った無料診断テストがあります。
・自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づくほうだ。
・他人の気分に左右される。
・痛みにとても敏感である。
・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激から逃れる場所に引きこもりたくなる。
・カフェインに敏感に反応する。
・明るい光や、強い匂い、ざらざらした布地、サイレンの音などに圧倒されやすい。
・豊かな想像力を持ち、空想にふけりやすい。
・騒音に悩まされやすい。
・美術や音楽に深く心動かされる。
・とても良心的である。
・すぐにびっくりする。
・短時間に沢山のことをしなければならないとき、混乱してしまう。
・人が何かで不快な思いをしている時、どうすれば快適になるかすぐに気づく。
・一度に沢山のことを頼まれるのがいやだ。
・ミスをしたり物を忘れたりしないようにいつも気をつける。
・暴力的な映画やテレビ番組は見ないようにしている。
・あまりにもたくさんのことが自分の周りで起こっていると、不快になり神経が高ぶる。
・空腹になると、集中できないとか気分が悪くなるといった強い反応が起こる。
・生活に変化があると混乱する。
・デリケート香りや味、音、音楽などを好む。
・動揺するような状況を避けることを普段の生活で最優先している。
・仕事をするとき、競争させられたり、観察されていると、緊張し、いつもの実力を発揮できなくなる。
・子どものころ、親や教師は自分のことを「敏感だ」とか「内気だ」と思っていた。
(出典:「繊細さん」の本)
「はい」が12個以上はHSPの可能性が高いがあくまで目安です。
ちなみに自分の場合は「はい」が16個でした。
繊細な人が鈍感にはなれない
繊細な人でも頑張れば鈍感になることができる。
そう思ってこれまで鈍感になろうと頑張ってはみたものの上手くいかず、繊細で日々疲れている人生から抜け出せませんでした。
「繊細さんの本」の中では背の高い人が身長を縮めることができないように繊細な人が鈍感になることはできないと書かれていて、何だか救われた一言でした。
大人になって身長を伸ばすために試行錯誤してんだと言っている友人がいたら、おそらくこう言うと思います。
「無駄な努力は辞めて身長が低いなりにできることを頑張った方がいい。」
繊細さも身長と同じなので、そもそも変えることはできないようです。
自分の意志が弱いからでは無く、そもそも変われない事がわかり少しホッとしました。
繊細さんに必要なのは気づいてしまった時の対処法を知ること
繊細は身長と同じで変えることができないことはわかりましたが、では、どうしたらいいのでしょうか。
この本の中で、繊細さんに必要なことは気づいてしまった時の対処法を身につけるといいと書かれています。
また、技術なので頑張れば誰でも身につけることができるとも書かれています。
この本の中には、繊細さんの傾向と具体的な対策がいくつも書かれていますが、その中で時に参考になった3つのポイントについてまとめていきたいと思います。
気づいた事に半自動的に対応しない
上司がイライラしてそう、後輩が辛そうに仕事をしているなど、
繊細さんは他の人よりも周りで起きていることに気づきやすいです。
しかし、気づいたことに半自動的に対応してはいけません。
他の人よりも気づきやすいので、全て対応してしまうと直ぐに自分の限界を超えてしまいます。
なので、繊細さんは気がついた事の一部を対応するようにしましょう。
目の前で困っている人を見捨てて冷たいと感じるかもしれませんが、まずは自分自身の幸せを最優先にしてもいいんじゃないでしょうか。
そもそも普通の人より周りに対して気づかいができているので、気づかいのレベルを落とした所で、あの人全然気が利かないよねとなることは少ないと思います。
「こんなにわがままでいいのかな」と思うぐらい積極的に自分を優先していく
繊細さんは相手を優先して自分を後回しにしてしまう傾向があります。
友達が話を聞いて欲しそうなら自分の話は置いておいて聞き役になってしまったり、
職場で上司から意見を求められても、相手が求める意見を言おうとしたりすることがあると思います。
一見すると、当たり障りなくコミュニケーションが取れているように聞こえますが注意が必要です。
それは、表に出している自分に合う人が周りに集まってくるので、本心を表に出しておかないと素の自分に合う人は集まってきません。
例えば、本当はのんびりした性格なのに無理してバリバリ仕事をしていたら、バリバリ仕事をしている自分が好きな人が周りに集まってきてしまいます。
その結果、自分の周りには気が合う人が少ないと感じてしまうことが増えてきてしまいます。
もっと素の自分を表に出した方が素の自分に合う人が周りに集まってきて楽になります。
周りに繊細さんがどんな人か知ってもらう
繊細であろうが繊細で無かろうが自分の考えや思いは言葉にしないと相手に伝わりません。
繊細さんは周りとは自分が当たり前と思っている感覚自体が違うので言葉にすることは特に重要です。
例えば、「職場で機嫌が悪い人がいると、気になってしまう」
という繊細さんの感覚は、
繊細な自分からしたら「よくわかる」と思いますが、
繊細ではない人からしたら全く理解できないみたいです。
まずは、今回紹介している「繊細さんの本」を家族や友人、彼女に読んでもらって、感想を言い合うだけで全然違うと思います。
あとは、手間を惜しまず積極的にこんな時どう感じているか言葉で伝えていくと、より良い関係が気づけていきます。
繊細な自分が好きになれる本
これまでは繊細なことは克服すべき課題でありストレスに耐えられるように自分を作り変えようとしていましたが、「繊細さんの本」を読んでそうではない事に気づかせてくれました。
・繊細さは身長と同じで変えることはできないので、感じたことへの対処法を知ることが大切
・繊細さは大切な自分の一部なので繊細さを大切にすることは自分を大切にすることと同じ
・無理をして周りと同じように鈍感になる必要は無い
今までいろいろなビジネス書を読んで、中には言いたい事はわかるけど実践は難しいと感じるものも沢山ありました。
しかし、「繊細さんの本」は根本的に自分自身を変えようとするものでは無く、自分の傾向と対策がわかり実践しやすい内容が多く書かれています。
今回紹介した内容以外にも、繊細さんと非繊細さんのパートナーシップのコツやどんな仕事が繊細さんには合っているのかなど、他にもいろいろ参考になることが書かれています。
自分は繊細で疲れやすいと感じている人だけでなく、繊細さんの周りの家族や友人など多くの時間を一緒に過ごす人にもこの本を一度読んでもらいたいと思うので、この記事を読んでみて少しでも興味が出たら本の方もぜひ読んでみてください。