【電気の乗り換え】地域大手電力会社の従量電灯プランが無難

「最近、電気代が高いけど何か対策は無いの?」

こんな疑問を持っている人は多いのではないでしょうか。

そこで、今回は燃料調整費が高騰している時は地域大手電力会社の従量電灯プランがおすすめである理由をまとめていきたいと思います。

目次

最近の電気代高騰の原因は燃料調整費の上昇

(出典:資源エネルギー庁

それではまず、電気料金の内訳からチェックしていきたいと思います。

電気料金は以下の4つの合計です。

・基本料金

・電力量料金

・燃料費調整単価

・再エネ賦課金単価

他社と電気料金の比較がしやすいように基本的にどの電力会社も同じ計算方法が採用されています。

そして、最近の電気代値上がりは燃料費調整単価の上昇が原因なので、いつも通りの電気使用量だったとしても電気代が上がっています

燃料費調整単価

火力発電に使う燃料の調達コストを電気代に反映させる仕組み。

日本は燃料をほとんど海外から輸入しているので、為替レートや燃料価格レートの影響を大きく受けます。

このため、燃料費の変動に合わせて電気料金が一部変動するようになっています。

・基準価格より燃料(石油・石炭・天然ガス)の調達コストが高ければ、月々の電気料金が上がる

・基準価格より燃料(石油・石炭・天然ガス)の調達コストが低ければ、月々の電気料金が下がる

燃料調整費は料金プランによって上限の有無がある

出典:東京ガス

燃料調整費ですが料金プランによって上限の有無が違います。

燃料調整費の上限が無い場合はどこまでも上がっていきますが、燃料調整費に上限(基準燃料価格の1.5倍)を設定している場合は上限を超える分は電気料金に反映されないようになっています。

では、燃料調整費の現状がどうなっているかと言うと、もう既に燃料調整費の上限を超えているので上限の有無によって電気代に差が出ています。

燃料調整費が高騰している時は地域大手電力会社の従量電灯プランがおすすめ

それでは次に、燃料調整費が高騰している時は地域大手電力会社の従量電灯プランがおすすめである理由をまとめていたいと思います。

料金の値上げに振り回されない

地域大手電力会社の従量電灯プランがおすすめである理由の1つ目は料金の値上げに振り回されないからです。

電力業界全体の傾向として燃料調整費の上限撤廃や料金単価の値上げが加速しています。

なので、今よりも安い料金プランへ乗り換えたとしても料金の改悪があれば次の乗り換え先を探さなければいけません。

しかし、地域大手電力会社の従量電灯プランは企業が自由に料金変更できない「規制料金」なので料金の値上げに振り回せれる心配がありません。

規制料金とは

旧一般電気事業者(東京電力や関西電力など地域の大手電力会社)が電気の小売り自由化以前に提供していた料金プランになり、東京電力エナジーパートナーであれば従量電灯Bなどが規制料金に当てはまります。

規制料金の変更には経産省の認可が必要なので、電力会社の判断で自由に料金を変更することはできません。

自由料金とは

電気の小売り自由化以降の料金プランになり、東京電力エナジーパートナーであればスタンダードプランなどが自由料金に当てはまります。

自由料金の会社の判断で自由に料金変更ができるので、「来月から○○電力の燃料調整費の上限が撤廃」とニュースで目にするのは「自由料金」の料金プランになります。

燃料調整費の上限があるので高騰時は安くなる

(出典:東京電力エナジーパートナー

地域大手電力会社の従量電灯プランがおすすめである理由の2つ目は、燃料調整費の上限があるので高騰している時は安くなるからです。

上の図は東京電力エナジーパートナーの2022年11月分の燃料費調整単価です。

・上の段が従量電灯プランなど上限有りの場合:5.13円/kWh(上限でストップ)

・下の段がスタンダードプランなど上限無し場合:9.72円/kWh

燃料調整費の差は1kWh当たり4.59円となっています。

東京電力
従量電灯B
東京電力
スタンダードS
東京ガスでんきauでんき
基本料金286.00円286.00円286.00円286.00円
~120kWh19.88円19.88円19.78円19.87円
121kWh~300kWh26.48円26.46円25.29円26.47円
301kWh~30.57円30.57円27.36円30.56円
燃料調整費5.13円
(上限でストップ)
9.72円9.72円9.72円

上の表は東京エリアの電気料金を表にまとめたものになります。

月の電気使用量が増えれば増えるほど料金プランで差が出てきますが、電気の使用量が少ない場合はほとんど差はありません。

東京電力
従量電灯B
東京電力
スタンダードS
東京ガスでんきauでんき
電気料金7,411円7,407円7,186円7,408円
燃料調整費1,539円2,916円2,916円2,916円
合計8,950円10,323円10,102円10,324円
月の使用量300kWhで試算(再エネ賦課金を除く)

それでは次に月の電気使用量が300kWhの場合で電気料金を試算してみたいと思います。

上に表示しているのは試算結果をまとめたもので、

・電気料金が一番高いのがauでんき:10,324円

・電気料金が一番安いのが従量電灯B:8,950円

電気代が一番高いプランと一番安いプランの差は1,374円になり、燃料調整費が上限を超えている時は上限が設定されている料金プランの方が安いです。

燃料調整費が下がった場合は電気代が少し割高になる程度

地域大手電力会社の従量電灯プランがおすすめである理由の3つ目は、燃料調整費が下がったとしても電気代が少し割高になる程度で済むからです。

燃料調整費が高騰している場合は上限がある料金プランの方が安くなりますが、逆に今が燃料調整費のピークでこれから下がった場合に電気代がどうなるのか試算してみたいと思います。

東京電力
従量電灯B
東京電力
スタンダードS
東京ガスでんきauでんき
電気料金7,411円7,407円7,186円7,408円
燃料調整費1,539円1,539円1,539円1,539円
合計8,950円8,946円8,725円8,947円
月の使用量300kWhで試算(再エネ賦課金を除く)

上の表は月の電気使用量が300kWhの場合で電気料金を試算したものになります。

・電気料金が一番高いのが従量電灯B:8,950円

・電気料金が一番安いのが東京ガスでんき:8,725円

電気料金の差は225円になり、そこまで大きな差は開きません。

このように、燃料調整費が上限を超えなかったとしても電気代が少し割高になる程度で済みます。

各社HPの料金シュミレーションには要注意

料金を試算する際の注意点として、各社のHPの料金シュミレーションには燃料調整費と再エネ賦課金が反映されていない場合が多いので請求金額より安い試算結果が表示されやすいです。

手間はかかりますが各プランの料金表を比較した方が確実だと思います。

結局、乗り換えた方がいいの?

最後に皆さんが一番気になるのが、「結局、乗り換えた方がいいのかどうか」だと思います。

解約手数料が発生しない人やガスやスマホの通信費とセット割を使っていない人

・住んでいる地域大手電力会社の従量電灯プランに乗り換えて燃料調整費が落ち着くまでは様子を見る

・燃料調整費が落ち着いてきたら、他の料金プランに乗り換えるのが無難な選択

解約手数料が発生する人やガスやスマホの通信費とセット割を使っている人

・試算してみないと何とも言えない

地域大手電力会社の従量電灯プランは全ての人におススメできるベストな選択肢ではありませんが、電気代がビックリするほど高くはならない無難な選択肢だと思います。

乗り換えたら必ずお得になるわけではないので、乗り換える際は料金の比較をして自己責任でお願いします。

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